本
昨今のテレビメディアでは、性的少数者タレントの活躍が目覚ましいといわれる。ゲイやトランスジェンダーの芸能人をかつてのように貶めるのではなく、「ちゃんと」「好意的に」扱っており、「性的少数者の認知につながっている」という評価も聞くことがある…
三橋順子氏の近刊、『女装と日本人』を読んだ。 女装と日本人 (講談社現代新書)作者: 三橋順子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/09/19メディア: 新書購入: 8人 クリック: 182回この商品を含むブログ (55件) を見る 日本のトランスジェンダー、同性愛者、…
写真を整理していたら、こんなのを見つけた。 何ヶ月か前に出張でロンドンに行かされたとき、地下鉄の駅の公衆トイレで撮った写真だ。 どこの駅だったか忘れたが、ウェストミンスター地区のどこか(見りゃ分かる)。 公衆トイレの通常の使用でエイズその他の性…
きのう、古本屋で『彷書月刊』のバックナンバーが揃ってるのを発見。2006年3月号の「特集 アドニスの杯」をゲット。 昭和27年から1962年(63号)まで発行された、日本ゲイ・メディア黎明期の雑誌『アドニス』の特集。 目次参考:Magazine 彷書月刊を読む 権…
id: miyakichiさんの日記で、英国のレズビアン作家サラ・ウォーターズの『半身』(isbn:4488254020)の感想を拝読。 この小説はぜひ2回以上読むことをおすすめします。1度目でひねりの効きまくったラストの展開にのたうち回り、2度目では「よく見るとこんなと…
id:nodadaさんが、1990年代前半に起きた「やおい論争」について触れたマンガ評論家藤本由香里さんのエッセイをレビューしておられる。 腐男子じゃないけど、ゲイじゃないーコラム『HONEYの蜜×蜜日記』、藤本由香里さんのやおい論争。 藤本さんはね、まずはこ…
図書館で調べもの中、この本が目に。 映画と身体/性(日本映画史叢書 6)作者: 斉藤綾子出版社/メーカー: 森話社発売日: 2006/10メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 181回この商品を含むブログ (5件) を見る たしか鷲谷花氏の論文が載っているはず、と手に…
単なる本からのメモだが。 「レズビアンが"筋金入り"である」ってのは、どういうことだ? 仕方ないから私、その子の頭を抱いて撫でてあげたわよ、よしよしってね。その頃にはその子は私の背中にこう手を回してね、撫でてたの。そうするとそのうちにね、私だ…
3ヶ月も前の情報だが− 2007年度日本女性学会大会 (6月9日(土)・10日(日)於法政大学市ヶ谷キャンパス) 第6分科会 渡辺みえこ「日本文学の中のレズビアン表象」 村上春樹のベストセラー、『ノルウェイの森』の重要な影の破壊者、レズビアン少女につ…
いまさらだけどアガサ・クリスティのエルキュール・灰色の脳細胞・ポアロのシリーズは長編33中短編50何編だかあるんですね。 どうりで未読作品が次から次へと見つかるわけだ、と思いつつ、14作目『もの言えぬ証人』を読んだ。 もの言えぬ証人 (ハヤカワ文庫―…
バイエルン王ルードウィヒ2世(1845-1886)が主人公の少女マンガがある。少女マンガは時代物・伝奇・SFなんかが好きと言ったら、職場の人が教えてくれた。 ボーイズラブっぽいですよ、と言われたけど、主人公が同性愛者なんだから当然ですよ、とさっそく入手。…
ボードレールのレズビアン詩について考えている今日このごろ、コクトーが同じく伝説のレズビアン詩人サッフォーに寄せた詩を読む。 ボードレールの「レスボスの島」は、たしかにサッフォーのヒロイックな生に共感を寄せた讃歌だ。だが、ロマンティックで悲劇…
ボードレールとレスボフォビアの系譜 の、続きである。 (この話題を始めてしまったことをもうかなりヤヴァいと感じているのだが、とにかく、始めてしまったので、とにかく行ってみる。) モンスター化するレズビアン ボードレールのレズビアン幻想の本質を看…
ボードレール(1821-1867)がレズビアンに強烈な思い入れを持ち、(彼の脳内イメージの)レズビアンに寄せる詩を書いたことは有名だ。 柿沼 瑛子, 栗原 知代『耽美小説・ゲイ文学ブックガイド』(1994)にも、『悪の華』は「レズビアン文学」としてピックアップさ…
ジョージ・プラット・ラインスのエントリを書いたとき、glbtqのPhotography: Gay Male,Pre-Stonewallを手引きに19世紀末から20世紀前半ぐらいの黎明期(?)のメイルヌードフォトをネットで漁り回った。そして改めて、というか、今さら言うまでもないが、西のゲ…
ゼイディ・スミスのデビュー小説『ホワイト・ティース』に、フレディ・マーキュリーが登場するシーンがある。 「よその文化を冗談の種にするのは、良くないんじゃないかしらね」 楽団は,自分たちがそんなことをしていたとはつゆ知らずにいたのだが、これは…
仕事と関係ない趣味の本を原書で読むようなゆとりも能力もないのだけれど、できれば欲しいな読みたいなと思い続けていた本があった。 Saki, The Chronicles of Clovis サキが好きな人は世界中に大勢いるが、サキのファンとはすなわち絶対にクローヴィス・サ…
淀川長治さんのヴィスコンティについてのエッセイ「ヴィスコンティの男色」(『男と男のいる映画』isbn:479175509X)をこのエントリで引用したあとで、エッセイの初出誌である『ユリイカ』1984年の「ヴィスコンティ特集」を古本屋で手に入れた。いろいろ面白い…