リンクは続くよどこまでも
僕んとこのような寒村ブログでも、ありがたいことに、いろんなリンクを辿って人が来て下さる。
昨日、「クローヴィス・サングレール」の検索語で来たリンクを見て、ちょっと嬉しくなってしまった。サキの作品に登場するこの色男については、半年前このブログを始めた直後にエントリを書いた。たいしたことは書いてないのだが、僕と同じように彼のファンがいるのかなあと思った。
リンクの検索語というのは、「世の中でどんなことが検索されてるのか」というのをうかがわせて、面白い。
「キングギドラ 公開処刑」「NTTドコモ キッズ」「エミネム 同性愛嫌悪」「倖田來未 BUT」などの検索リンクがコンスタントにあるのを見ると、これらの問題に関心を持つ人がいるんだな、と心強くなる。
しかし、リンクの検索語は、「なぜこれを検索したのか」分からない状態でいきなりポンと僕の目の前に来るから、ときどき意表を突かれることがある。言葉の組み合わせがシュールな世界をかもし出したりする。
そこで今日は、「印象に残ったリンクの検索語」を取り上げてみたい。
以下に言う「この検索語が面白い」とは、これは「なぜこの検索語なのか僕に分からない」ところから来る面白さなので、これらの検索語でこのブログを訪問して下さった人を笑う意図は、もちろん微塵もない。
どうかその点を寛恕いただいたうえ、一緒に楽しんでいただければ幸いである。
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僕のブログに多いリンクは、まずゲイ・同性愛関連である。
それからまあ、有名人の名前。ルーファス・ウェインライト、ペット・ショップ・ボーイズ、アンジェリーナ・ジョリーなどなど。
「レスリー・チャン」「フレディ・マーキュリー」を取り上げたとき、2人の名前のリンクがいきなり増えたのは嬉しかった。さすが、いつまでも忘れられない大スターである。
そういうスターの何に興味があるのか。たとえば、「ジョディ・フォスター レズビアン」というリンクは常に来る。「ナタリー・ポートマン」はバイセクシュアル宣言で取り上げたのだが、リンクが来るのはそちらじゃなく、「舌禍事件」「黒人問題」との組み合わせのほうだ。この問題について詳しく書いたわけじゃないので、なんだか申し訳ない。
そう、つい気になってしまうのは、この手の「希望に添えなくて申し訳ない」検索語である。
僕のところに来る有名人関連のリンクの中で、なぜか多いのが、「エミネム アギレラ」の検索語である。
確かに1度だけエミネムとクリスティーナ・アギレラを並べて取り上げたことはある。が、僕自身はこの2人のこと、特にアギレラのことを、ほとんど知らないのである。この2人のなにが問題なのか分からなくて、このリンクがあるたびに動揺してしまう。1度「アギレラ エミネム気にしない」というのがあり、そうか、気にしないのか、よかったなと思ったが、何を気にしないのか、僕にはさっぱり分からない。
また、僕のところには、ジェンセン・アクレスの画像を探して来られる方がコンスタントに、かなりいる。彼のことはコメント欄で1度話題に上っただけなのだが、同じコメント欄に「画像」という言葉があったせいだろうか。しかしエントリはもちろん画像なんてないのである。コメント欄のわずかな言及のせいで、「ジェンセン・アクレス 超超超超イケメン画像」「ジェンセン・アクレス 画像 いっぱい」「ジェンセン・アクレス 裸」などの検索語で足労された方には、気持ちが分かるだけに申し訳なくなる。
この画像なら、「イケメン 腰パン 上半身裸 画像」というやたら注文の細かいリンクの要望にもこたえるにちがいない。
そうなのである。
ゲイブログで、なおかつヌードや裸を取り上げすぎたせいか、このブログには男の裸を求めてやってくる人がやたらに多い。
「ガエル・ガルシア・ベルナル 裸」という、「そんなものあったら俺にも寄こせ」と言いたくなるリンクもあった。
あと、普段あれこれとエラそうなことを書いている手前、ゲイについて恥ずかしいことを書きたくはないのだが、下ネタを匂わせる言葉にはやたら食いつきがいい、よすぎる。
エミネム問題でうっかり「ちんぽ」と書いてしまったら、「ちんぽ」のリンク続出である。
情けないぞ、おまえら、と、言いたい。
ネットに国境は無いので、イメージGoogleなんかではときどき海外からのリンクもあるが、Google Cnで、「同性愛口愛写真」を探索してこられた方もいる。僕は中国語は知らないが、ホラ、あれだろう。これも提供できなかった。残念である。できれば僕も欲しい。ブルース・ウェーバーばりにセクシーでスタイリッシュな「口愛写真」は、なかなか見つからないのだ。
世界中どこに行っても、男(ゲイ)の考えることは同じである。
最後に、目的が分からないので、シュールに見える検索語の組み合わせで、最近印象に残ったものを、3つほど上げてみる。
「セミヌード 奥さん サッカー選手」
大したことないかもしれないが、なんだか不思議である。
サンパウロFCのリシャリソン事件を取り上げたあと、サッカー選手関連のリンクが増えたのだが、サッカー選手がセミヌードなのか、奥さんがセミヌードなのか、どちらなのか分からない。僕はサッカー選手のほうがいいが、検索した人がノンケなら奥さんのほうが良かったのだろう。
次。
「ヴィナス マンコ」
ちょっと衝撃を受けた。「なぜ僕のところに」というのが正直な気持ちである。「女性が好きな男性下着」以来の衝撃かもしれない。
どうして僕んとこが引っかかって、僕んとこに飛ぶつもりになったのかと、 Google検索結果を見るとこうであった。
ヴィナスよ、あなたが渚辺に. 口開かせる生きた貝. あれをあんまり好きなのが. 彼女の小さな咎でした。 ... あれを、「世のヘテロ女どもは俺のちんこを狙ってるかも?」「世の男どもはあたしのマンコを狙ってるかも?」と思いながら読むんだろうか? ...
このエントリとこのエントリがつながってるのだが、見ようによっては意味が通っているように見えるのがすごい。コクトーの詩が、すごい読まれ方をしているみたいである。
そして、最近の僕の私的検索語ナンバーワンである。
「老人とゲイ」
検索した人は、ゲイのエイジングという真面目なテーマを考えていたのかもしれないし、フケ専のことでも調べようと思ったのかもしれない。
しかし、このリンクを見た瞬間、僕の脳裏に広がったのはヘミングウェイの世界である。壮大な海である、砂浜である、焼け付く太陽の下で、カジキマグロならぬ男を一本釣りする老人の勇姿である。
あまりにインパクトがあったので、最近、「老人とゲイ」という言葉が頭を離れなくて困っている僕なのである。
だから、なんだ、意味ねえ、ということだが。
ネットで出会うささやかに面白い出会いの一つが、検索語であることは間違いない。