イスラムにゲイはいるよ?僕らがそうさ!


以下は、Gay.com-uk & Irlandの記事、「What you said: Islam has gays -- us!」の訳。


何言ってるの:イスラムにはゲイはいる?僕らさ!
Marc Breindel


ラマダン、カリーム(Ramadan kareem)!
僕らはすごく幸せだ、だってここGay.comには、強くてすばらしいムスリム・コミュニティがあるんだから。
このラマダンの月、僕らはムスリムのゲイの仲間や友人たちを招き、彼らがどんな人生を送っているのか、その倫理や宗教文化とレズビアン・ゲイであることのバランスをどうとっているのか、分かち合うことにした。たくさんの人が感銘的で、ちょっと辛くて、そしておかしいストーリーを返してくれた。


イラン大統領マフムード・アフマディネジャドのおかげで、僕らのゲイ・ムスリムのライフ・ストーリーはこの週にとくにぴったりだ。アフマディネジャドは月曜日NYのコロンビア大学の講演で、こう言った「イランには、あなた方の国のようにホモセクシュアルはいない…我々は自国にそういうものを持たない」


失礼ながらそれは違う。イランは2005年に10代の少年2人を、どうやらゲイだという理由で処刑した。もちろん、6千500万人の人口を擁する国には、もっと大勢のステキなゲイやレズビアンがいるだろう。


NYでアフマディネジャドの講演を聴いていた人たちは、彼のトンチンカンな意見を笑った。米議会は彼への非難を決議した。僕らは深い個人の物語であなたに答えよう。そう、全ムスリム世界にゲイとレズビアンはいる!彼らの身近な人たちは?バグダードからビバリーヒルズまで?彼らが自分たちの社会の一部であることを、きっと誇りに思うだろう。


Marbleさん

 僕はゲイのムスリムで、家族も知っている。僕は17歳のときに家族にそう告げた。僕はそうする責任があると思ったんだ。お互いに隠し事をしない家族のやり方を知っていたから。両親と姉妹たちは彼らに告げるガッツがあった僕を誇りに思ってくれた。彼らは僕にいつだって僕を愛している、何も変わらないと言ってくれた。僕に対する扱いも、何も変わらないと(ただ、姉妹たちは僕がいい買い物仲間になると考えたよ、ある理由で)。だけど、単にムスリムだからって、家族が何よりも大事って信じてるわけじゃないよ。君は親のコピーじゃない。君はただ一人しかいない。僕はまだシングルだけど、構わない。だって持っていないものは失わずにすむし、僕はそれで構わないから。ほかの親類も僕がゲイだと知っている。それに、レバノンの家族はどっちかというとずっとリベラルなんだ。


Young2さん

 こんにちは、僕もゲイのムスリムだ。家族はそれを知ってる。身近な友人たちもね。でも、皆がじゃない。僕個人の生活は僕個人の生活で、公のものじゃないと信じてるからね。僕がアメリカとフランスに住むアルジェリア系フランス人だからって、パリス・ヒルトンじゃないし (lol)。アルジェリアの家族はムスリム世界のマジョリティよりずっと西洋的だね。でも君に言いたいことがある(^^)。君自身とパートナーをコンドームで護ること(^^)。僕はシングルだけど、カップルだったこともあって、あれは良かったな。サンフランシスコで愛し合える相方が欲しいよ(^^) (今度の10月10日にサンフランシスコからLAに移るけど(^^))。
 僕もラマダンの断食をしたよ。それはゲイでもノンケでもどっちでもやるよね(^^)。「ストレンジャー」を恐れないで、心と目を開いて、ある人びとはちょっとだけ違うんだということをただ受け入れて欲しい。だけど、もし世界全部がどこも同じだったら、きっと凄く退屈だよ。(^^)


fcukbaさん

 大抵の人はムスリムでありゲイでもあるなんて不可能だと思っているけど。さて、それは違うと言わなきゃね。僕は断食もする、1日5回の礼拝もする、などなど。僕は自分にできるかぎり信仰に従うべきだと信じてるし、そうしてる。僕は「じゃあ、いいね、あんたが一部の連中が悪いと考えていることをやったら、地獄行きだ」というのは信じない。違う、僕は誰もが自分ができる最良のことをする努力をして、お互いに愛し合うべきだと思う。僕たちは他の誰かを裁けるような人間じゃない。さて、そう言ったところで、ラマダンおめでとう、みんな!! (^-^)


Journeさん

 僕はゲイのムスリムだ。身近な家族と親類の何人かにはカムアウトしている。友人たちと職場にもカムアウトしてる。残念ながら、僕は完全にクローゼットから出ることはできない気がする。僕の家族はとても宗教的で、僕らは自分たちのコミュニティの長年のメンバーだから。僕にとって、完全にカムアウトするのは、理解しようとも受け入れようともしないコミュニティで家族が傷つけられるかもしれないってことだ。悲しいけど、コミュニティで他の人たちから言われたことがある、僕は僕らのバックグラウンドから一番外れた人間の一人だと。僕は自分がいたいと思う場所(つまり、完全にカムアウトしていること)にいない。でも、少しずつそちらに向かっている。


Thelosさん

 僕はマレーシア出身で、僕にとってゲイで同時にムスリムであるってことは易しいことじゃない!僕は慎重にしているが、それはすごく苦しい。僕はゲイであることは悪いことだと信じている。変われたらと望むし、そのためならどんなことだってやろうと思う。でも自分に嘘をつくのは不可能だと分かっている。心の深いところで僕はゲイだと聞こえる。もちろん家族は絶対に受け入れないだろう。回りの人たちは嫌悪とともに僕を笑うだろう。僕は23歳になろうとしているけど、顔を思いきりはたかれるみたいなもんだよ。いつも誰かが訊いてくる、ガールフレンドはいるのか、どうしてガールフレンドがいないんだ、バカなバカなバカな・・・。僕は彼氏がいたことがなくて、いる人がうらやましいね。愛してくれて大切にしてくれる彼氏がいるって、なんてステキなことだろうと思うよ。いつか彼氏が見つかるといいな!そこで、まさにこれからゲイの世界に踏み込もうとしているか、好奇心のある人?に。考え直しなよ。特にムスリムならね!


Mosesさん

 僕は、マグリブ北アフリカ)出身の、ムスリムと幸せに付き合っているユダヤ人として話している。僕らの宗教が、僕らの民族的または「部族的」バックグラウンドとはなにか深刻に違うものなのかもしれないと理解できるまで、長い時間がかかった。密接な関係を持った2つの存在だとしてもね。ムスリムユダヤ人の宗教ではどちらも、分派したキリスト教でもやはり、神はゲイであることに対して厳しい言葉を発している。でも、もし神がその全能の力で僕をゲイにしたのなら、なぜ神がそうしながら、信心深いいわゆる「ノーマル」の、平凡な屑みたいな連中の残酷さに僕が晒されているのをお許しになっているのか、不思議に思う。神聖なる書の背後にある精神を探求するまさにその時だと思う。それは困難で、時間がかかるけど。僕はThelostboy84の言ったことを考えてこう言うんだ。宗教にはただ貝のようにしている以上のものがある。時に宗教は人生でどんな役割でも果たすことができるんだ。


goldmuさん

 僕はパキスタン出身だ。22歳のときに両親にカムアウトした。両親は僕を支えて受け入れてくれている。合衆国で僕が知っているほかの多くの?見かけだけ世俗的な?親たちよりもずっと。ムスリムの社会は歴史的に非へテロ・セックスや関係にずっとオープンだった。ソドミーを禁ずる法律があるほとんどの国では、その法律はシャリアまたはイスラム法の名残というより、イギリスやフランスの罰則条項の名残なんだ。でも、ヨーロッパとムスリム世界のゲイライフのどこが違うかというと、 ゲイネスの表現が過度であることと、その違いを肉体的にハッキリ示すことだ。一方、僕が育った場所では、同性とセックスした人は、たとえそればかりやっている人でも*1、避けられたりあちこちで差別されたりすることはない。発展途上国では、ゲイネスが受け入れられるまで時間がかかるだろう(ただムスリムの国だけじゃない、インドがいい例だ)。前進はあるだろうが、それは自然なペースで起きるべきだ。合衆国でそうしているようにね。


Billieさん

 僕の父はレバノンムスリムで、母はユダヤ系のオーストラリア人だ。僕はいつも自分のエスニシティに違和感を感じて、できるだけ隠そうとしていた?明らかに黒い肌と髪で、特に白い肌でブロンドの母と並ぶと、確実にバレてしまうんだけどね。父は僕が4つのときに亡くなり、母は自由に僕を育てた。ムスリムの男と結婚したために、家族に勘当されて。 だから母も完全に宗教を捨てていた。レバノン人とオーストラリア人が通りで激しく戦ったシドニーの「クロヌラ暴動」のあいだ、僕は自分の居場所はどこにあるんだろうと思った。たぶん、僕はまだ生まれていない民族を代表しているんだろうかと思ったよ。宗教と民族性よりも、ただ愛と寛容の上に築かれた民族を。
 オーストラリアのヘテロ社会はレバノン人の男やムスリムの男を警戒している。一方、ゲイ・コミュニティはそれに性的魅力を感じているみたい。たぶん、シドニーのメディアがときどき一部の急進派を取り上げて、ムスリムの信仰の野蛮さをセンセーショナルに描いてきたところからきている、ある理解のせいだろうね。
 シンガー・ソングライターとして知られたシドニーの有名人として、僕はSBSに依頼されて「ザ・ロスト・ボーイ」というタイトルの曲を書いた。?人種と宗教のただ中に捕らわれていることの歌だ。http://www.myspace.com/martynbadouiでこの曲を聴いてくれ。


shadycさん

 サラーム!僕はゲイのムスリムだ。誰にも告げることができない。そうするとどんなことになるかが怖くて。僕は家族のたった一人の息子だ。そして僕らの伝統では、両親は息子に結婚して子どもをもってという凄く高い期待をかけるものなんだ。カムアウトしてる人たち、正直にカムアウトしようとしている人たちを尊敬している。僕はそうはできない(あるいは、たぶん単にそのガッツがない)から。そう、僕はこういう奴なんだよ、実のところ。でも真実を告げることで大切にしている人達を失うのが怖い。たぶんいつか、そうする勇気を持つだろうけれど・・・


edenboさん

 ゲイのムスリムであることは、僕の人生を凄く緊張したものにしている。僕が行く場所すること、パートナーを持つこと、その人と一緒に暮らせないこと、両親や家族からの質問や、ただ僕にイスラムに「ゲイ」なるものはいないと思い出させるための、絶え間ない説教。伝統的に育てられ、ふさわしい教育をうけたゲイのムスリムであることは、ただ僕に人びとがどうすれば人生で幸せをつかめるのかということを思い出させる。中東では、僕の出身地(南米)よりも、規則がずっと厳しいと言える。?教育は同じだが、現れるものは違う。僕はクローゼットのゲイ・ムスリムであることに誇りを持っている。


pakmanさん

 僕はアメリカに住むムスリムで、女性と結婚し2人の子どもをもうけて10年たってから、カムアウトを決意した。僕は元妻にゲイだと自覚したから離婚してくれとは頼まなかった。ただ僕らがもう一緒にいられないから、一つ屋根の下で暮らした経験は僕と彼女と子どもたちにとって辛いものであったからというのが、より大きな理由だった。
 彼女とその両親は僕の家族に僕がゲイだとばらした。僕はそうするつもりはなかったのに。でも、あとから彼女は僕にいいことをしてくれたと感じた。家族は名目的に僕を勘当したけれど、僕を受け入れてくれた。僕のセクシュアリティを完全に受け入れたわけではなかったけれど。それから2年経ち、母が、他の誰よりも先に、僕が落ち着いているか、「コンパニオン」を見つけたかどうか尋ねてきた。それが大きな始まりだ。
 僕はカムアウトして、セクシュアリティのために1人として友を失ったことのないゲイでムスリムアメリカ男性であることに誇りを持っている。 僕をゲイだと知っているのは家族のごく一部だけれど、大抵の場合、それを受け入れて、終に自分が誰で何なのかを受け入れた僕の勇気を称えてくれている。


sahil2さん

 やあ、僕はゲイのムスリムで、僕が体験してきたことは、僕にとって本当にハードだった。7歳のとき、僕は従兄弟にレイプされた。家族は何が起きたのか僕に尋ねたけれど、僕は何も言えなかった。僕らの家族がそのせいで引き裂かれるのが怖かったから。でも、僕に何が起きたのか皆が知っていたのだと思う。それから僕は何度も近所の人たちに性的ないたずらをされた。
 自分がゲイに生まれたのかそうでないのか、僕には分からない。でも僕はこの人生を好きになり始めている。僕は家を出てゆくためにあらゆることをした。それからここ合衆国に来て、ゲイクラブに通い始めた。そしてそこで僕の彼氏に出会ったんだ。
 そこで、僕はやはりアメリカにいる兄弟たちに告げようと決意した。で、それが僕の悲惨な人生の始まりだったのさ。兄弟の1人は僕と話すのを止めた。他の1人はとても宗教的で、僕がゲイであるという話になるといつも、コーランを僕の前に持ってきて過去にゲイにどんなことが起きたのか僕に見せようとする。僕も、とても宗教的な人間だ。?僕は礼拝をするし、ラマダンには断食するし、ムスリムがしなければならないとされていることはほとんど全部やろうと努めている。でも、兄弟たちは、それは全部ムダだって言うんだ。僕がゲイだから。
 両親はこうしたことをまったく知らない。ただ兄弟たち、数人の友人が僕のことを知っている。友人たちはいいのだけれど、家族は・・・自分の人生がどうなろうとしているのか、ただ分からない。ムスリムの世界でゲイであることはただとても厳しい。

innundさん

 僕のパートナーはムスリム。今はラマダンだけど、まだセックスしているよ。(^-^)


nudebuさん

 僕はマレーシア出身のムスリム。とても伝統的な文化の中で、宗教的なムスリムの家族の間に生まれ、成長した。大家族の一番年下だ。僕は18歳で近所の人と性的な接触をしたとき、ゲイだと自覚した。その人はゴージャスなバイセクシュアルのムスリムの男だった。彼はすごく宗教的で、極端なぐらいムスリムの生活を実践しているんだ。
 友人のほとんどはゲイでムスリムだ。数人のストレートの友人がいるけれど、親しいストレートの友人の1人だけが僕がゲイだと知っている。そしてそれは僕にとって居心地いい。他の人は知らない。家族も含めてだ。でも母さんは知ってると信じている。母さんの直感はいつでも当たるんだ。
 マレーシアは暮らすにはとてもいい国だ。特に文化的な発展に参加したいなら。マレーシアは多文化の国だ。でも、ゲイであるためには暮らしやすい場所じゃない。マレーシアではゲイは不法だ。ゲイの結婚は許されていない。ゲイ・コミュニティについて公の場や社会で本当に語られることはない。それは法、文化、宗教に反することだ。マレーシアは熱心なムスリム国だから。
 マレーシアのゲイのほとんどが、自分を本当にゲイだと思っていない。つまり、彼らはゲイだけれど、同時に主強敵、文化的、社会的な理由で結婚しなければならないという意味だ。僕はそれを、ゲイの体がバイセクシュアルの生活を生きているようなものだと思っている・・・嘘とともにある生活・・・。だから、僕はゲイであることに誇りを持っている。結婚するつもりはない、絶対に!だって、僕は自分に対して嘘はつかないんだ。
 僕は世界中を旅行したけれど、合衆国を本当に愛している。ゲイのムスリムであるためには合衆国は暮らしやすい場所だと感じる。それにアメリカ人はとてもオープンな心を持っていて、ゲイの人生を受け入れて、コミュニティでサポートしてくれる。僕は将来合衆国に移住するために働き続けている。だって、合衆国でゲイとして暮らすほうが「安全」だと信じているから。 僕はサンフランシスコ、L.A.、ツインシティ、シカゴ、ニューヨークシティ、ベガス、サンディエゴなどに行ったことがある。個人的にはツインシティが大好きだ。ゲイ・フレンドリーなコミュニティがあるし、暮らしも安いなどなどの理由で。できる限り早く合衆国に移りたい。
 僕は誰かGay.comの仲間が僕にメッセージをくれてこの興味深い問題を語ってくれると嬉しい。ためらわないでGay.comの僕のプロフィールにコンタクトしてライヴ・メッセージを送ってくれ。
 よろしく。みんなにハッピー・ラマダン、そしてエイド・モバラク

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2006年ユーロ・プライド(ロンドン)に参加した英国のLGBTムスリム支援団体Imaan。手前に翻っている赤・白・緑の旗はイランの国旗。


From Imaan - Imaan at Pride 2006!

*1:even those who did so exclusively