東京都知事選候補・浅野史郎氏にお礼・ねぎらいメールを送ってみる


統一地方選前半戦、とくに注目された東京都知事選は、石原慎太郎氏が取った。
LGBTの間で支持の気運が高まった浅野史郎氏は、残念ながら敗れた。


メディアでも繰り返し言われたが、浅野氏の選挙運動は不十分だった。それは候補としては重大な失敗で、甘かったとしかいいようがない。
しかし、浅野氏に期待したLGBT有権者とて、「機会が降ってきたから乗った」ていどのものではなかっただろうか。あまりに急で、時間がなかったせいもあるが、不十分な支持だった*1


この2日、ブロガー諸氏のいろいろな文章やコメントを読んで考えた。
ここでまたリンク星のコピペ星人になるのは止めておくが、つぎの北丸雄二さんの日記を、取り上げておきたい。


北丸雄二Daily Bullshit―選挙ブルーにめげずにアフタケアもね


敗れたとはいえ、まがりなりにもLGBT支援の意志を示した浅野氏に、謝意を伝えておくように―それが先につながるのだから。

LGBTが欧米諸国でマーケットとして認められてきたのは、「恩義に厚い(Loyalty)」ってこと。礼を尽くすことからすべては始まるのです。


北丸雄二Daily Bullshit―選挙ブルーにめげずにアフタケアもね


これは、彼を応援する気持ちを持った一般人LGBTでも同じかと思い、北丸さんが上げている選挙期間中の浅野氏の連絡先アドレスに、下のようなお礼のメールを書いて送ってみた。
返送はされないから、まだアドレスは有効だと思う(チェックされるかどうか、ちょっと確信が持てないが)。


北丸さんは、浅野氏勤務先の住所など、複数連絡先を上げている。
浅野氏に投票した東京都の人、浅野氏に都知事になってもらいたかった人、みなさんもどうですか?

拝啓


激しい選挙戦も終わり、今はやすらかに、気持ちよい春の空を見上げておられるでしょうか。


東京都知事選、ほんとうにお疲れ様でした。
限られた時間のなか、ほんとうに善戦なさいました。
そのことにお礼を申し上げたくて、メールをさせていただきます。


僕は東京都民ではありませんが、近隣県に住む一団体職員です。
同性愛者で、学生時代は東京におり、新宿二丁目にもときどき行っていました。


飲み屋街である二丁目と、それほどつながりがあったわけではありません。しかし、アジア最大のゲイタウンの将来を、都政が同性愛者の意志とは無関係に左右しようとする、それは日本の性的少数者の立場の将来を示す、あまりにも重い、象徴的な事件に思われました。
ですから、浅野さんが二丁目で遊説をしてくださったのが、ほんとうにうれしかったのです。


今の日本は、少数者をいかようにも扱える状況になっています。
保守化がすすみ、安全安全と危機感ばかりがあおられ、多様性には関心がなくなっている。その陰で少数者がどんな目にあおうと、ほとんどの人は関心を持たないかもしれない。
その中で、少数者のほうへ踏み出してくださった浅野さんは、歴史を変えたと思います。これまでも、民主党の議員さんなど、地道に性的少数者との関係を築いている政治家さんはおります。しかし、浅野さんは、都知事選という大きな舞台で、象徴的なことをしてくださいました。
この歴史の方向を止めない努力を、僕たちがしなければならないと思っています。


ほんとうにありがとうございました。
そして、僕たちの支援が足りなかったことを、お詫びいたします。


とりあえず、少しお休みになり、ご自分のことにも気を向けられてください。それからまた、東京都と日本のために発言なさってください。


ゲイパレードには、私人として、研究者として、ぜひ参加なさってください。
きっと楽しいと思います。
LGBTだけではなく、その家族、友人、関心を持ってくれる人びと、異性愛者もたくさん集まります。


そのとき、また、浅野さんのお姿を拝見するのを、楽しみにしております。



                       敬具

浅野史郎先生

*1:もちろん、限られた時間の中で精力的に応援を発信し続けたブロガーが何人もいた