SPUC「国連健康問題特別報告者、中絶をめぐり挑戦を受ける」(2007年12月14日)


Society for the Protection of Unborn Children - Pro-Life Intelligence, 14 December 2007 - 国連健康問題特別報告者、中絶をめぐり挑戦を受ける(UN health rapporteur is challenged over abortion)


Patrick Buckley, SPUC Education and Research Trust


ジュネーブ、2007年12月14日−
国連人権理事会のエジプト代表は、健康の権利に関する国連特別報告者ポール・ハント氏の公平さに異議を申し立てていた。それは、ハント氏が中絶の権利を支持しているためであった。
アムル・ロシュディ氏Mr Amr Roshdyは昨日[12月13日]、「生殖の権利センターCentre for Reproductive Rights(CRR)」のウェブサイトが、ハント氏をアドバイザーと称し、彼の国連での役割に言及していると指摘した。このセンターは中絶を世界的な人権にしようとしている。ロシュディ氏はまた、ハント氏が、「性的指向性自認についてのジョグジャカルタ原則」に、再び自身の国連での地位を引用しつつ署名していることを述べた。この原則は、純粋な人権を再解釈し、結婚とその他の決定的な人権に基づく自然な家族を攻撃するものだ。ロシュディ氏は、国連システムにおいては中絶と性的指向に関するいかなるコンセンサスも存在せず、これらの問題を支持する一部の国が、絶えず多数派の国々に迷惑をかけるのは受け入れ難いと指摘した。


ハント氏は、自身がCRRのアドバイザーであることを認め、自身の中絶についての考えは、カイロ会議・北京会議に従い、K.L.とペルーの対立に関する人権理事会の決定を考慮して新たにしたものだと述べた。
[※1994年カイロ会議・1995年北京会議におけるリプロダクティヴ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)に関する決議については、ジョイセフ(リプロダクティブ・ヘルス/ライツと女性の健康・権利を守るNGO) 第16回リプロダクティブ・ヘルス / ライツを考える会(2005年4月27日)−芦野由利子『リプロダクティブ・ヘルス/ライツ概論』を参照。]


ハント氏は、自身と他7名の国連人権特別報告者が、ジョグジャカルタ原則に署名していることに同意した。国連人権高等弁務官ルイーズ・アルブールMs Louise Arbour氏は、最近NYの国連本部での非公式の会議でこの原則が発表された際に公表された声明で、この原則を歓迎していることを示した。


多くの代表が、ハント氏への権限委託と彼の業績を支持する発言をした。非公式の会議で、ローマ教皇庁代表Bert van Megen僧正(Monsignor)が、ロシュディ氏を支持し、中絶による危険は、人間の生命を、他の人間にあるとされる精神・身体的健康の権利の名のもとに奪うことである、と付け加えた。この後者の全代表が出席した会議で、ロシュディ氏は、パキスタンの支持を受けた自身の意見を繰り返した。


SPUCの医師John Smeatonは語った。「ポール・ハントのような反生命、反家族のイデオローグが、国連でそれほど力を持っているというのは悲劇だ。複数の国々が、国連で有力な地位にある、中絶に賛成し結婚に基づく自然な家族に反対するイデオロギーを推進する者たちに反対したことは、きわめて良いニュースだ。世界は変わりつつある。世界のサイレント・マジョリティが、行動しようと立ち上がりつつあるのだから」。


水曜日、ブラジルは、健康の権利の[特別報告者への]任期を更新する決議を提起した。これは本日の会議で結論が出されるだろう。