ジョグジャカルタ原則ブラジル公布式

「性的指向と性自認の問題に対する国際人権法の適用に関するジョグジャカルタ原則」


11月7日、国連総会でジョグジャカルタ原則の公布式が行われるんだって!


ジョグジャカルタ原則の承認を、国連事務総長に求める署名を集めてるんだって!


11月7日NY国連本部でのジョグジャカルタ原則デビューまであと5日。私的応援キャンペーン。一日一善一ジョグジャカルタ


が、なんだか能もなく世界各地で行われているジョグジャカルタ原則公布式の情報を集めているだけっぽいんだけど。まあいいや。


今回は、ラテンアメリカ編。


ジョグジャカルタ原則の普及に、ラテンアメリカのプレゼンスは、なかなか大きい。
11月7日の国連本部での公布式も、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイが共催国を引き受けている。


そもそも、国連人権委員会で初めて性的指向を理由とする人権侵害問題が取り上げられたのは2003年。そのとき、性的指向による人権侵害を問題化する決議案を主導して提起したのは、ブラジルだった。
参考:アムネスティ発表国際ニュース(2003年04月22日)−国連人権委員会:性的指向の決議案で人権の普遍性の危機


国連における性的少数者の人権承認の試みは、ブラジルからジョグジャカルタへの、3年に及ぶ旅だったのである。
Queer Thought: News for the Gay Community - 2007/03 - From Brazil to Yogyakarta - Gay rights travel at the UN


さて、そのブラジルでは、約2ヶ月前の8月、なんと4都市で立て続けにジョグジャカルタ原則の公布式が行われたそうだ。
ブラジルに拠点をおくセクシュアリティ問題団体Sexuality Policy Watchのレポートを見てみたい。


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Sexuality Policy Watch - Yogyakarta Principles


[2007年3月ジュネーブで開催された]国連人権委員会第4セッションの主要なイベントの1つは、「ジョグジャカルタ原則」の公布でした。この原則は、すべての国家が従うべき、拘束力のある国際的法規範を補強するものです。ジョグジャカルタ原則は、さまざまな言語で読むことができます。ポルトガル語にも翻訳され、ブラジルの一連の催しで公布されました。


判事、学者、元国連人権高等弁務官、国連特別手続制度、条約関連機関メンバー、NGOその他を含む、さまざまな地域・出身の人権問題の傑出した専門家集団により作成され,満場一致で承認されたジョグジャカルタ原則は、国連人権理事会第4セッション開催中に公布されました。この原則は、実際の、あるいはそうと目された性的指向性自認を理由に行われる人権侵害が、世界に根を下ろした深刻な問題となっているという証拠を示しています。これは、国際人権法を性的指向性自認の問題に適用することについての原則です。これは、すべての国家が遵守すべき、拘束力のある国際的な法規範を強化するものです。ジョグジャカルタ原則は、さまざまな言語で読むことができます。


ジョグジャカルタ原則はポルトガル語に翻訳され、ポルト・アレグレ(8月24日)、リオデジャネイロ(8月27日)、ノヴァ・イグアス(8月31日)、サンパウロ(8月31日)で開催された一連の催しで公布されました。


これらのイベントは、ブラジルに基盤を置くネットワークグループと、性の権利問題について活動するNGOによって組織されました−


また、人権の分野で活動する主な機関によるパートナーシップは−

  • The Nova Iguacu Municipal Program on HIV/AIDS


ジョグジャカルタ原則の作成に参加したMauro Cabral氏は、4つの催しすべてに参加してくれました。ポルトアレグロでは、AJURISのEugenio Terra氏、ABGLTのAlexandre Boer氏がパネルに参加しました。リオではSPWのSonia Correa氏との共催となり、the Rio de Janeiro State Department on Individual, Collective and Diffuse Rightsの長Claudio Nascimento氏、CLAM研究員Horacio Sivori氏、Reference Center for LGBTTA Human RightsのYone Lindgren氏が参加されました。


リオ公布式は、ILGA Latin AmericaのBeto de Jesus氏、Human Rights WatchBoris Dittrich氏、ILGA WorldのStephen Barris氏の参加という栄誉を得ました。Mauro Cabral氏とSonia Correa氏は、ノヴァ・イグアスでの討論を司会しました。サンパウロでは、公布式はthe Federal Public Attorney's Officeで 行われ、the Federal Attorney、Sergio Suiama博士、Beto de Jesus氏、Stephen Barris氏、CONECTASのLaura Mattar氏の参加がありました。


すべての催しで、ジョグジャカルタ原則の内容が活発に議論され、この文書をさらに広く普及させるにはどうすべきか、さまざまなアイディアが出されました。その他示唆されたイニシアティブには、リオデジャネイロ弁護士協会の女性委員会と人権委員会が原則の内容とそのブラジルでの適用を議論するセミナーを組織すると決定したことが挙げられます。

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さて、ジョグジャカルタ原則の公布式、次は、アジアだろうか。


アジアでのジョグジャカルタ原則普及の努力は、言葉の壁のせいもあって(僕は日本語以外のアジア諸言語が全然できない)、今のところネパールのLGBT団体Blue Diamondのイニシアティブによるものしか見つけられていないのだが−


1月にはILGAアジアの第3回年次大会が、タイのチェンマイで開催される。もしかしたら、ジョグジャカルタ原則アジア公布式も、このとき行われるかもしれない。


ILGA-Asia - 3rd ILGA-Asia Regional Conference: Chiang Mai, Thailand - 24 - 27 January 2008. "Equality in Diversity Now!"


テーマは「多様性の中での平等を、いま!(Equality in Diversity Now!)」だそうだ。これは、さまざまな国で性的指向性自認の差別や非合法化に抵抗するLGBTの文化的多様性を考慮して設けられたテーマだという。ジェンダーセクシュアリティのあり方や経験には,アジアならではの多様性がある。アメリカ的またはヨーロッパ的アクティビズムの一元的な押しつけを避け,アジアのやり方でーということだろうか。


"Equality in Diversity Now!", the theme for 2008 was carefully chosen to reflect the diversity of cultures LGBT persons live in, as they struggle against discrimination, and in some countries, criminalisation. It also recognises the diverse ways by which genders and sexualities are experienced and defined in Asia and appreciate the different areas of activism LGBT groups focus on in their respective countries. Amidst these differences, there is a common call: “Equality in Diversity Now!”


ジョグジャカルタ原則もまた、アジアならではの受容と活用が目指されることになる、目指されなければならない、のだろう。