12月10日ジョグジャカルタ原則アフリカ公布式@ヨハネスブルグ(南アフリカ)
「性的指向と性自認の問題に対する国際人権法の適用に関するジョグジャカルタ原則」
11月7日、国連総会でジョグジャカルタ原則の公布式が行われるよ!
ジョグジャカルタ原則の承認を、国連事務総長に求める署名活動をやってるよ!
11月7日NY国連本部でのジョグジャカルタ原則デビューまであと6日。一日一善一ジョグジャカルタ。
12月10日は、世界人権の日。
きっとさまざまな分野で人権問題を考える会議や催しが行われることになるが、南アフリカ共和国のヨハネスブルグでは、国際的LGBT団体ARC Internationalと、アフリカ・レズビアン連合the Coalition for African Lesbians (CAL)により、ジェンダー・セクシュアリティ・HIV/AIDSに関する国際会議「ジェンダー・セクシュアリティ・HIV/AIDS をめぐる対話:アフリカそして世界での人権の応答を高めるために(International Dialogue on Gender, Sexuality, and HIV/AIDS: Strengthening Human Rights Responses in Africa and around the globe)」が開催される。
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その他多数。
主催団体のアフリカ・レズビアン連合は、2005年、13カ国の11のレズビアン団体が結集して成立した連合。レズビアンという立場から、セクシュアリティ問題に加え、ジェンダー問題に取り組むグループとして活躍しているようだ。
参考サイト:
Behind the Mask-2007/10 - african women claim their space in a patriarchal society
グローバル・エイズ・アップデート−2007/9/13−アフリカ: セクシュアル・マイノリティの国際会議が初開催:各地域代表を選出
:今年5月にヨハネスブルグで開催された第一回「パン=アフリカLGBTI 会議Pan African LGBTI Conference」について。
上掲リンクのアナウンスメントからは、まだ会議の具体的内容は部分的にしか分からない。が、会議のタイトルがすべてを語っているように、僕には感じられる。
「ジェンダー・セクシュアリティ・HIV/AIDS をめぐる対話:アフリカそして世界で人権の応答を高めるために(International Dialogue on Gender, Sexuality, and HIV/AIDS: Strengthening Human Rights Responses in Africa and around the globe)」
うまく訳せないが、アフリカの性的少数者問題そしてエイズ問題(僕は一般的ニュース以上の知識は持たないが)を考えると、他のタイトルは出てこないだろう、というようなタイトルだ。
村単位の壊滅状態を引き起こし、国々の存亡を問うレベルにまで達したアフリカのHIV感染の背景は、国際的には世界によるアフリカ住民の人権の軽視と無視、国内的にはジェンダー問題だった(女性が男の性的要求を拒めず、HIVに感染させられる)。HIV/AIDS、ジェンダー、セクシュアリティ、そして世界とアフリカの対話の欠如は、すべて絡まり合って切り離せない関係にある。
「カギは女性たちだ。物事を動かすのはいつだって村々の女性たちなんだ。」危機意識が共有され、治療とそれを支える資金供与が実現した時、国連の果たすべき役割は、エイズとの闘いの中で国際社会とこの村々の女性たちを結びつけることなのだ、というのがルイス特使の結論である。「事務総長のために果たすべき私の役割は、この結びつきが実現するよう導くことなのです。」
日本アフリカ協議会−アフリカ諸国の対応能力は大きい:アフリカ諸国のHIV/AIDSに関する国連特使、スティーブン・ルイス氏へのインタビュー(2001年6月)
アフリカのHIV/AIDS問題については、
日本アフリカ協議会のニューズレター・ウェブ版
グローバル・エイズ・アップデート
参照。
そして、この国際会議では、10日の世界人権の日にあわせて、ジョグジャカルタ原則アフリカ公布式が行われる。
会議は3つのユニットで組織される。第1ユニットはアフリカのLGBT活動家のためのユニット、第2ユニットはアフリカの活動家と世界の国際的対話、そして、第3ユニットがジョグジャカルタ原則の公布式だ。
政府関係者の参加も期待できるかもしれない、とのことで、性的少数者の人権保護のために政府が取るべき政策方針を示すジョグジャカルタ原則が、政府関係者の目に触れるのは期待大だ。
Unit 1: Developed by and for African LGBT activists. Some thematic areas already identified include: participation in the African Commission, domestic litigation in key countries, equipping activists with communication tools, and taking forward current programming with the region. (An open consultation process for this unit has begun; African activists wishing to have input into this part of the programming are encouraged to contact: dialogue@arc-international.net)
Unit 2: Building on similar dialogues held in Rio de Janeiro, Geneva, and South Korea, some of the themes of this International Dialogue include: international strategies regarding UN Human Rights Council and other UN bodies; shadow reporting for regional and international human rights mechanisms; engaging NGOs around the Yogyakarta Principles; building effective coalitions and alliances; and strengthening organisational capacity. It is intended to promote dialogue between activists from around the globe and allies with the LGBT movement. (Input regarding this portion of the agenda can also be sent to: dialogue@arc-international.net)
Unit 3: Regional Launch of Yogyakarta Principles and Public Event to commemorate International Human Rights Day (December 10th).
It is also anticipated that there will be some engagement with government officials and political mobilisation over the course of the Dialogue.
アフリカのLGBT活動家たちが、世界とアフリカの「対話」の手段としてジョグジャカルタ原則を選び、その可能性に望みを託しているのが、(このところすっかりジョグジャカルタ原則オタク?の僕には)嬉しい。
だからこそ、ジョグジャカルタ原則は、「スバラシイものができたね」と言ったきり忘れられてホコリをかぶっている体のいい空文になったり、あるいは先進国の価値観を一方的に「啓蒙」する口実に堕ちてはならない、のだと思う。
ジョグジャカルタ原則がゴミになるか、必要とされる「対話のツール」になるかは、すべてこれからにかかっているのだろう。
ジョグジャカルタ原則が、アフリカのために根を下ろし、彼ら彼女ら自身のものとして成長してゆけることを、また人権が世界に無視されることがないことを、切に望みたい。