ゲイ・ムスリムの9・11映画 "A JIHAD FOR LOVE"



9・11から6年。信じられないほど世界が変わった6年間だった。
暗い気分のまま、これといって何も考えることもできずにいるうちに、こんな映画の情報を見つける。


A JIHAD FOR LOVE - Film by Parvez Sharma


NYを拠点に活動するインドの映画監督Parvez Sharmaの「A JIHAD FOR LOVE」。
先週から、トロントの国際映画祭で注目を集めているそうだ。
12カ国、9言語のムスリムレズビアン・ゲイたちの、同性愛と信仰をめぐる精神的格闘(ジハード)の、6年がかりのドキュメンタリーだという。


2007年トロント国際映画祭の紹介ページ


Parvez Sharma監督 Parvez Sharma - Wikipedia.en

ムスリムのゲイ・レズビアンの多くは、困難な,孤独で、時に危険な道を歩まねばならない。ムスリムのマジョリティが同性愛はコーランにより禁じられていると信じ、多くの学者がハディース預言者ムハンマドに帰せられる言葉、彼に平安を)を引用して同性愛を直接非難する。
すでに世界第2の宗教であるイスラムは、急速に伸長している。50の国家でムスリムが多数派となっている。これらの国々のうちの2.3ケ国では、コーランが男性の同性愛を禁止している(女性同性愛はコーランにはないとされる)ということから来ている法律が、宗教、部族、軍事の権威により励行され、同性愛者を監視し、罠にかけ、投獄し、拷問し、処刑さえする。 ヨーロッパや北米に移住し、西洋的な「ゲイ」ないし「クィア」の人格を身につけた人々さえ、9・11テロ攻撃とマドリードとロンドンにおける列車爆破以後、新しいホームランドで得た相対的な自由は執拗な人種差別と激化する国家の監視に減じられている。


その結果、多くのゲイ・レスビアンのムスリムは、結局自分の宗教を完全に放棄する。 しかし、「JIHAD FOR LOVE」の実在する登場人物たちは、彼らが大切に想い、彼らを支えている信仰を捨てるのを望まない。 代わりに、彼らは、その情熱的な信仰を自らの存在の生まれながらの現実と折り合わせようと闘う。 「JIHAD FOR LOVE」でひとつにされたゲイ・レスビアンのムスリムの国を超えた合唱は、イスラム教を否定も拒絶もしようとはしない。むしろ、新たな関係を築こうとしているのだ。そのために、映画の型破りの登場人物たちは、すべてのムスリムに対し、敵意に満ち戦争で引き裂かれた現状を超え、より希望に満ちた未来に向かってゆく道を示そうとする。想像できるだろうが、人物たちにとって、彼らが直面するかもしれない暴力のことを思えば、この映画への出演は困難な決断だった。監督は6年かけてこの映画を完成させた。彼は、自分たちの物語を語るために進み出た人たちが、自分たちのことをイスラム教で最も稀有な語り手だと感じて欲しいと思っている。彼らはみな、この映画は世界の10億以上のムスリムとすべての非ムスリムにとって拒むことはできないほど重要な映画であると思っている。彼らは、彼らが深く抱く信仰に等しい要求のするために、追われる危険を冒しても構わないと思っている。


A JIHAD FOR LOVE-About


近い日に、ぜひ日本でも観ることができることを望みたい。



TIFF'07


関連ニュース
Gays Without Borders-Sep. 8. 2007 - A Jihad For Love
Gay Republic Daily -Sep. 8. 2007 - The Inner Jihad of Religious Gays in Islam
Reuters.ca - Sep 12 - "Jihad for Love" seeks gay Muslim audiences


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