明石家さんまが「メルシイ!人生」


ニュースサイトで見かけたけれど、4月7日のエントリで紹介した「メルシイ!人生」が明石家さんま主演の舞台になるそうだ。


チケットぴあー「メルシィ! 僕ぅ?〜我が人生は薔薇色に」


気になるのは、当然加えられているアレンジだけれどー


・舞台は日本のタイヤ会社(コンドームも作っている)のフランス支社。つまり、舞台はフランスを背景にした日本社会


・映画の老ゲイ・ベロンにあたる藤木(松澤一之)は、元経営コンサルタントで今は孤独に暮らす老人、ではないようだ。「元カリスマドラァグクイーン。実は安田(明石家さんま、映画のピニョンにあたる)が勤めていた会社と過去に関わりが…」という設定で、ひとりぼっちではなく、家にはゲイ友が遊びに通ってきているらしい。ゲイ友役は、明楽哲典にKABA.ちゃん
映画のベロン老人は、プライベートではレザーのコスプレでゲイバー通いもしていたが、普通のサラリーマンで、ゲイであることを理由に会社を解雇された。見た目の「ゲイっぽさ」は微塵もない静かな老人だ。
が、日本人が演じる場合、それでは分からない、ということで、「目に見えるゲイっぽさ」を追加するのだろう。

  
こちらが映画のベロン老人、Michel Aumont。対する舞台版の松澤一之。


・安田(明石家さんま)が勤めるタイヤ会社は閉鎖寸前。
これも映画にはない設定。「ゲイのリストラに神経質になる」という展開に説得力を持たせるために、会社が今にも潰れそう、という設定を追加したのかな?


こういう改変には、僕には正直少し残念に思われるところもあるけれど、なかなか関心もわく。
前のエントリでは、映画に描かれている、ゲイと目された人間に対する周囲の人々の反応には、フランス社会ならではの同性愛者に対する姿勢がおそらく反映されているのだろうと指摘した。
一方、この舞台では、同じ設定(身近な人間が同性愛者だったら?)を、日本社会に置き換えてやってみようとしているわけだ。
脚本・演出は、どんなふうにこの問いに答えようとしているのか?


東京・大阪のみの公演らしいので、残念ながら観る機会はなさそうだが、どんな出来になるか、知りたいところ。


それにしても、関連ニュースのタイトルが、なぜかそろって「明石家さんまがゲイ役に挑戦」なのだ。なぜ?!ゲイ役じゃないっていうのに。
あと、「ゲイの本場のフランスで、心ならずもゲイをカミングアウトすることになってしまった主人公のドタバタ劇を描く」というのが公演サイドからの惹句らしい。


「ゲイの本場」だったのか?!知らなかったよ。


日本企業のフランス支社が舞台になっているわけだが、まさか、同性愛やカミングアウトをフランスの「異文化」として描写するつもりかな?
ちょっとそれは…う〜む。